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言葉の風
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2010年1月6日

いつからか「プレイ初(ぞ)め」なる儀式を行ってきた。
年明けにはじめてかけるレコードを選び、
プレイボタンを押す。そして、聴く。
それだけのことだが、中学生の頃からやっている、
ささやかなセレモニーなのだ。
神社では無病息災をまっさきに願う。そんな歳になったが、
「プレイ初め」は、これから一年を盛り上げる景気づけの儀式である。
元気になるアルバムやシングル盤を意識的に選んでいたと思う。
ただ、これまでどんなレコードをかけてきたのか、ほとんど記憶にない。
去年はヨハン・シュトラウスの「歌劇こうもり」序曲を聴いたような気がするが、
はっきりしない。
今年は4日までステレオコンポをONにすることはなかった。
このところ急速に音楽を聴かなくなってきた。
心理的というよりも生理的な傾向だと自分では思っている。
昨日、やっと「プレイ初め」を行った。
ビートルズの『ヘイ・ジュード』が盤の上にのせられた。
モノクロのこもった音が部屋に流れだす。
ガサッ、ガサッとキズが鳴る。
それはそれでアナログの味でいい。
けれど、なにか違う。
もっと、みずみずしい音が鳴りわたっていたのではなかったか?
みずみずしいとはいつのこと? どこに鳴りわたっていた?
音が劣化したのか、聴覚のレベルが上がったのか、
心のほうがひからびてきたのか、よくわからない。
なんとなく盛り上がらずに針が上がり、
アームレストにカタコトと音をだして戻ってきた。
14歳の冬に買ったEP盤レコード『ヘイ・ジュード』。
そして、唐突に思い出した。
「プレイ初め」の第1回は、この裏面『レボリューション』だった。
その瞬間、中学生の頃のまばゆいエネルギーが体に入ってきた。
頭のなかでみずみずしい現実化が起こったのだ。
これで、どうにか年始めの景気づけとなったようだ。

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