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言葉の風
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梅と春と抱擁と

丘陵の尾根道を自転車で走っていると、
園芸農家の敷地で白梅がいっせいに開花しているのをみた。
空から雲が降りてきたような光景に思わず、はっとさせられた。
さらにすすんでいくと、
一本の紅梅が3分咲きの花を枝にたくわえ、道沿いに佇んでいる。
曇り空の下でそこだけ、明るい香気を放っている。
高台の日当たりのいい場所のせいもあるのだろうが、
それにしてもまだ1月中旬、冬のまっただなかだ。
かといって、梅が狂っているわけではない。
気温や日照の積算により、
花開き・花散るプログラムが正確に作動しているだけ。
今朝、裏山を散策していたら、
道の向こうで中年の男女が抱擁し接吻していた。
つながれた犬がばつが悪そうに枯れ草に鼻をつっこんで、
時間を持てあましている。
ふたりの顔も表情もみえたわけではないが、
立ちながら絡み合うその姿は、
なにか逼迫したような空気と、刹那的な感じがした。
若いならともかく中年夫婦があんな場所で、
しかもあんなに熱を帯びたキスなどするのだろうか。
世の中、いろいろある。
なにが積算されたかは知らないが、
これも春か。

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