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言葉の風
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擬態の日向ぼっこ

マンションのひとけのない非常階段の壁に
へんな生きものがはりついている。
小枝そっくりだ。大きさは4センチほど。
こんなものが道にいたら、まず虫とは気づかないだろう。
天敵の鳥はこんなせまいところへやってこない。
まっしろい壁に日向ぼっこしていても大丈夫であると
ちゃんとわかっているのか。
面白いとか、かわいいとか、何気にみている生きものたちは、
生きているかぎり、喰うか喰われるかの世界にある。
虫やプランクトンなど
生態系のいちばん下のほうに位置する生きものたちには、
喰われるということの苦痛や恐怖がはたしてあるのだろうか?
もし、そうしたものがなければ、
喰われるということはなにを意味するのだろう。
壁にはりついた虫に、
つぶすほどカメラのレンズを近づけてもピクリともしない。
眠っているのか、ひとが捕食者ではないとわかっているのか。
擬態だけが身を守る術なのかもしれないが、
ただ、じっとしている。

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