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言葉の風
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浅川マキ追悼

浅川マキが死んだ。
ほんの数日前、「この惑星」のスペシャルインタビューの候補に思い浮かび、
彼女のオフィシャルHPを閲覧したばかり。
アクが強いのは、見た感じで充分わかる。
気難しいイメージがあるが、クリエイティブに関しては、
音楽だけでなく、すべてにおいて完璧主義者だったらしい。
インタビュー相手としては、リスクが多いかな、と思い、
どうしようかと考えていた矢先だった。
高校時代の一時期、浅川マキの世界に浸っていた。
フォークでもない、ロックでもない、ブルースでも、ジャズでも、
もちろん歌謡曲、演歌でもない、ある種独特の世界があった。
レコードジャケットになったモノクロの粗い粒子の写真のなかの世界が、
そのまま浅川マキの音楽だった。
黒いピアノが黒いカウンターのように似合う人だった。
だからか、音楽と同時に飲み屋のような場所を感じた。
こんなイメージだ。
地下に降りていくと重い木の扉があって、ひらくと薄暗いバーがある。
間接照明が明暗を絶妙にレイアウトしている。
棚にはアナログレコードがびっしりならんでいる。
こざっぱりとしたカウンターの向こう側には
無口でもなく、おしゃべりでもない主の女ひとり。
その顔はいつも半分影のなかだ。
もちろん、声は低い。カウンターでカットグラスがよく光る。
酒に強くなった気にさせる。
旅の匂いや港のさびしさもそこかしこに吹きだまっている。
そんな空間と空気感が、浅川マキの世界だったような気がする。
かつて15歳の少年があこがれた異世界だった。
「こんな風に過ぎていくのなら」「オールド・レインコート&ガソリンアレイ」
「にぎわい」「少年」「さかみち」・・・
ホワイトのロックを飲みながらふたたび聴いてみたい。
 
「こんな風に過ぎていくのなら」

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