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言葉の風
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夜空のかそけきものたち

きょうは冷えに冷えた。
風も強く、西の遠い山並みも一日、クッキリとみえた。
いつものように夜明け前に目覚める。
4時半過ぎだから、外はまっくらだ。
結露にぬれた窓にちいさいが煌々とした光り、
東南の空に半月がうかんでいた。
窓を開けると、おれも部屋に入れてくれとばかりに
冷たい外気が流れ込んでくる。
雲ひとつない澄みきった空だが、星の数は少ない。
南西の中空に土星がぽつんと光る。
しばらく、そのまま夜空をみつめていた。
すると、さっきまでなにもみえなかった空の一隅で
チカ、チカと瞬くものがある。
さらにじっと目をこらす。
チカ、チカ、チカと、視野の円内に瞬きだす。
ササッーと流れる光りも見えたような気がするが、
それらの光りは近くの土星の明かりの10分の1もないような弱さ。
"かそけきもの"とでもいおうか。
ミクロの世界を観察するように空に見入った。
夜空というよりも、宇宙空間をみている気になってくる。
パジャマのままだったが、寒さも忘れていた。
最初、なんにもないと思っていた空に
やがて無数の星が浮かび上がってきた。
それは怖いぐらいの数で、
これまでみたこともない、ちいさな、ちいさな光りだった。
なんでも宇宙には300垓(がい)の星があるそうだ。
「垓」は、「京」の次の単位になる。100垓は10の22乗。
科学的根拠のある計量らしいが、なんか、
ちんまりとした規模にさせられている気がして好きじゃない。
そのうちにそんな想定も覆されるにちがいない。」
肉眼でみえる星の数は全天で8500個程度ともいう。
もちろんこれは空気の澄んだ場所で、月明かりがない際の数だろう。
双眼鏡でみるのもいいが、
なにもなかったところにじわじわと星がわいてくるさまは、
肉眼ならではのおもしろさだ。
じぶんの視線が星を照らし出しているような、
そんな倒錯的な感覚も。

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