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言葉の風
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ユニコーン『雪が降る町』

父親が大腸ガンになり、
その手術で実家に帰っているときのこと。
深夜、目を覚まし眠れなくなり、
地元のFM局のラジオに耳を傾けていた。
安っぽいラジカセのスピーカーから、
なつかしいような、せつないような、
そんなメロディが流れてきた。
聴き憶えがある曲だった。何年か前にやっぱりFMから流れてきて、
こころに留め置いていたが、そのまま忘れていた歌だった。
ユニコーンの『すばらしい日々』というすばらしい曲。
その夜は、続けざまにユニコーンの曲が流された。
ちょうど、一年前の冬のことだ。
鼻のなかが痛くなるほどの冷たい空気がしずむ部屋で
布団から耳だけ出して、聴き入った。
まるで、中学生か高校生のように胸が熱くなっていった。
父親の大病に遭い、精神的、神経的にまいっていたが、
ユニコーンの力はすごいもので、そんな疲弊感をひと突きにしていった。
『ヒゲとボイン』『働く男』・・・近くにあったノートに、
次々かかる曲のタイトルをメモった。
聞けば、1980年代の終わりに結成された古参のグループだった。
奥田民生の名は知っていても、ユニコーンという存在は
まったく、知らなかった。
あまりにも遅れてきたファンになるが、
50歳を過ぎてファンになるのは全然悪くない。
今日の雪は、もうあとかたもなく溶けてしまったが、
ユニコーンの『雪が降る町』がパノラマのように
あたまのなかに鳴り響く。

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