ウェブマガジン「この惑星(このほし)」 > 星ぼしブログ > 言葉の風

言葉の風
100309.jpg

「七ヶ宿の白炭」来たる

さっき、窓の外を見たら雪がちらついていた。
きょうはかなり冷え込んでいる。
そんなとき、まさにうってつけのものが届いた。
白炭だ。火鉢など風流なものがあるわけではない。
風呂用のものを注文しておいたのが宅急便で送られてきたのだ。
白炭をつくっているのは、
宮城県刈田郡七ヶ宿町の佐藤光夫さん、円さんご夫妻。
昔ながらの炭焼き、手づくりの品だ。
以前、『Re:S』というリトルモアからでていた雑誌で
「木からしる」という特集があり、そこで佐藤さんたちを知った。
お二人ともかつて野草社という出版社に勤めていたが、
会社を辞め、20年ほど前からいまの土地に移り住み、
いまは炭焼きで生計を立てている。
「木からしる」の号は、2008年秋に刊行されている。
『Re:S』は、それから2号ほど出して、休刊となった。
季刊であまり目立たない地味なマガジンだったが、
まわりにはコアなファンが何人かいた。
いまもウェブマガジンとして継続しているが、
"写真撮影"をテーマとして、だいぶ様変わりしたようだ。
紙媒体の時代、『Re:S』に取り上げられるテーマも面白かったが、
出たとこ勝負のロードムービー的取材の方法や、
和みながらも、とことん相手から話を引き出す、聞きとるスタンスは
好感がもてた。学ぶべきものがあった。
ゆえに、捨てられずに本棚にきちんともぐりこんでいる。
この冬、黒炭を風呂に入れてみる機会があり、
その保温力のとりこになった。
たまたま最近、「木からしる」の号が本棚から取り出され、
めくられて、佐藤さんの白炭商品をふたたび目にして、
今回の発注となったのだった。
炭の原木はナラで、1000℃以上の高温で焼いていると
ご案内に書いてある。
ナラの芽吹きをイラストにしたのだろうか、
木版でつくったマークに暖かみがある。
「山日誌~七ヶ宿から」という便りも同封されていた。
樹木の根のまわりに黒くぽっかりと土をのぞかせた森の写真とともに、
雪解けの尋常でない早さを指摘していた。
けれど、そのことをもって、鬼の首を取ったように
環境の悪化を持ち上げることなく、淡々としている。
無駄に感情を泡立たせない。
自然に、大地に身を置くということは
そういうことなんだろうと思ったりした。

カテゴリ:

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://konohoshi.jp/mt/mt-tb.cgi/208

コメントする