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言葉の風
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花よりバーベキュー

関東ではこの週末、花見に絶好の機会だったが、
いまひとつ、天候には恵まれなかったようだ。
それでも土曜日は午後から日差しが少しふりそそぎ、
寒さもうすれ、たくさんのグループが桜の下にシートを広げていた。
「花より団子」は昔の話で、
いまは「花よりバーベキュー」のご時世のようだ。
火の使用を禁止している場所であろうがなんのその、
あちこちで肉を、魚を焼くけむりが立ちのぼる。
その匂いと桜のあでやかな輝きは、
もちろんそぐわない。
お重とまではいかなくとも、せめて、煮染めを詰め込み、
そぼろをまぶしたお弁当でもこしらえて
野外の宴を楽しむ風情を取り戻したいものだ。
そんなことを思うのも、
肉食系から遠ざかりつつある歳のせいかもしれないが。
この時期、木々の芽吹きを目にするのが気持ちいいが、
公園を歩いていて、一番ここちよく目に映るのが、
草の上でお弁当を食べている幼稚園児や
木陰で画用紙を広げ写生をしている小学生たちだ。
普段は、みんなうるさいくらいなのに、
緑のなかではじつに穏やかだ。
もちろん、お昼時間だったり、
課外授業中ということもあるのだろうが、
いるべき場所にいるという平和がもたらされている。
大きい声をだしても、空に吸いこまれていくし、
走っても、そこはやわらかな土だ。
反響する壁もぶつかる机も椅子もない。
小学校の低学年の暴力行為がここ数年で何倍にも増加しているという。
たしかにそうした粗暴性をみることが多くなった。
しかし、子どもたちが勝手に粗暴になっているわけではない。
ずっと粗暴でありつづけるわけでもない。
緑のなかの子どもたちを遠くから眺めていると
人間も鳥や風のように、ささやいているのがわかる。
いちばん自然に近いのは子どもたちなのだ。
そこにできるだけ帰してやることなら、
決してむずかしい話ではない。

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