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言葉の風
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プレオープンして1年、に思う  

ウェブマガジン「この惑星(このほし)」が、
プレオープンしてから、今日でちょうど1年。
公式にスタートする前のテスト的な段階だったが、
事前に関係者や仲間内に伝えていたので、
何日か前からてんやわんやがつづき、
本サイトへのアップロードを終えた朝には、
相棒ともども、へとへとになっていた。
疲労困憊だったが、しばらく味わえなかった充実感と高揚感にも浸れた。
そして、ああ、この気分はあの時と同じだなあ・・・と思い出したのは、
学生の頃、ガリ版刷りで発行していた同人誌だった。
書き上げた原稿を、ふたたび鉄筆で蝋原紙に書き写す。
謄写版にローラーでインクをまんべんなく行き渡らせ、
手を真っ黒にしながら、わら半紙に刷り上げる。
刷り上がった紙を半分に折り、順番にならべる。
そして、束ね、ホチキスで止めて、やっと完成。
人の手に取ってもらえるかたちとなる。
そうした労力ののち、だれかのもとへそれは渡っていくのだが、
あの頃は、人に何かを伝えるという思いよりも、
自分たちが書いたものを、とにかく人に読んでもらいたい、
みせたい、という欲望のほうが強かった。
結果や反響はあまり気にしなかったようだ。
では、あのときの充実感や高揚感は、
自己顕示欲から湧いてきたものかというと、けっしてそうとはいえない。
それもあったかもしれないが、それだけではなかった。
わら半紙を束ねた貧しいメディアだったかもしれないが、
見知らぬだれかと出会えるかもしれない、
あるいは、すでに知っているだれかのなかの、まだ知り得てない世界と
接点をもてるかもしれない、そんな希望と期待を抱かせるものだった。
ロマンチックにいえば、人と人を繋ぐ無限の可能性をもつ何か、
ちっぽけでもそれが自分たちでつくるメディアのアイデンティティだった。
いまでもこの希望や夢を抱きつづけていることは確かだ。
そこから「この惑星」も出発しているはずだ。
「この惑星」ポリシーのなかに、
「これ以上、世界を暗くしたくない」というフレーズがある。
最近、世界を暗くさせないため、いちばんいいことは、
見知らぬだれかと絶えず出会っていくことだと、思うようになった。
人との出会いは、自分のなかに窓が生まれるようなものだ。
予想も付かなかったところに窓が付けられ、
思いがけない風景やドラマが現れたり、
考えられないような考えが、ノイズになってやってきたり、
すっきりした調べになって渡ってきたりする。
優れた作品は、人そのもののように生きているから、
優れた作品とのめぐり逢いも、人との出会いになるだろう。
世界は、いつも自分の反映でしかない。
「これ以上、世界を暗くしたくない」ためには、
まずは、自身に光りを。
窓を。
誰かとの出会いを。
不幸にも、悪党と遭遇したら、
全力でその3倍の数の善人と出会えば救われる。
そんなことを徒然に思う、アニバーサリーです。

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