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言葉の風
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宇宙までは届かない「東京スカイツリー」

地下鉄錦糸町駅から地上へ出ると
破壊された塔がビル群を従えて立っている。
はじめてみるナマの東京スカイツリー。
巨人がもぎ取ったわけではなく、
今、まさに層が積み上げられている最中だ。
上空で、まゆ毛ほどにしか見えない鉄骨が
クレーンで吊り上げられていく。
歴史の一コマとばかりに、
二度と撮れない完成前の姿をデジカメでぱちぱちとやってみても
いい絵などなにも入ってこない。
建設前はあれほど憎悪されたパリのエッフェル塔。
いまやエッフェル塔なくしてパリの顔は完成しない。
しかし、東京タワーが消えても東京の表情はさほど変わらないようだし、
東京スカイツリーができても周辺の景色は空虚でありつづけるだろう。
いっそのこと、宇宙までとどく塔の建設にでもしてもらいたかった。
実際、地上からエレベーターを使って宇宙空間へ出る、
そんな構想がある。軌道エレベーターともいう。
ロケットを打ち上げるよりも、安全でコストもはるかに安い。
面白いのは、地上から建設していくのではなくて、
宇宙空間の静止衛星から地上までケーブルを下ろし、
それからつくっていくのだという。
アニメ作家、新海誠が描いた巨大な塔「ユニオンの塔」のように
ファンタジックな姿ではないようだ。
天に届く塔をつくり、名を高めようとした「バベルの塔」は
崩れる運命にあるが、天から地上へ下ろす仕様ならば、
神様もお許しになるかもしれない。

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