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言葉の風
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森からのちん入者

森が目の前にあるせいか、
この季節、いろいろな生きものが部屋にちん入してくる。
目が覚めると午前3時を少しまわったところ。
うす暗闇のなか、カーテンにちいさな黒い影。
しがみついていたのを指でひっぱがすと、
やっぱりカナブン。
毎日、エレベーターの中や非常階段の壁面、
道のあちこちにカナブンをみかける。
繁殖期なのだろうか、それにしてもたいがい一匹で、
緑の外皮をきらめかせてなにかにじっとしがみついているだけ。
こんなおとなしいやつなら問題ないが、
去年の夏は、スズメバチが入り込んで大騒ぎになった。
虫取り網をつかってなんとかご退出いただいた。
それ以来、窓に面した仕事机の横にはつねに虫取り網が立てかけてある。
そういえば、一度この網のなかには、大きなガマカエルに入ってもらったこともある。
なぜか5階にある自宅ドアの前にガマが鎮座していたことがあった。
5階まで自力で上がってくることは考えられない。
子どものイタズラだったのだろうか。
網で捕獲して近くの谷に返してやった。
数週間前は、ジーパンの一方の裾が銀のラメをまぶしたように
テラテラと光っていてびっくりしたことがあった。
拭いてもなかなか落ちない。
しばらくして、椅子の下で、細長い生きものがひからびていたのをみつけた。
そいつの体液がジーパンを汚したと思われた。
草むらから、散歩途中の男の足元に乗り移って、
そいつは人の家までやってきたのだった。
道を歩いていると、地面がテラテラと光っていることによく気づくようになった。
今日は朝から天気がいい。たった今、トンボが目の前にやってきた。
下の沼地には、シオカラトンボが木柵にいっぱいとまっている。
さっき、東の方角から白い大きな鳥がゆったりと翼を上下させながらやってきた。
こんなに優雅に飛ぶ鳥は、このあたりの空にはめずらしい。
双眼鏡をつかんで、ほとんど真上近くで姿を捉えるや、
ギャーと怪鳥のような鳴き声を一声放ち、
建物の反対側へゆうゆうと去っていった。
都心のマンションで暮らしているときには、
ペリカンが飛んでいたのを目撃したことがあるが、
いまの鳥はなんだったのだろう・・・。
一週間ほど前から、ヒグラシがどこからともなく鳴きはじめたが、
日ごと、林のなかは高く染み渡る音色にみたされつつある。
もうそろそろ梅雨を越えてもいい頃だ。

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