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言葉の風
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虹に願いを

夕方近く、空に虹があがった。
1年ぶりにみる虹。
きれいに半円を描いている。
デジカメでチッチッと撮っているとみるみる
色あせて消えていった。
さっと出てきて、さっと消えていく。
その刹那がいいと思った。
虹があまり長く空に架かっているのはつまらない。
そういえば20代の頃、荻窪、吉祥寺、三鷹と中央線沿線に
暮らしていたが、よく電車の車窓から虹をみた。
中央線は高架なので視界がひらけている。
そのせいもあるのだろう。
たまたまのことかもしれないが、
たいがい虹は根元をみせるだけで、
半円を描くどころか、その半分の姿もあればいいほうだった。
けっこう太く、がっちりとした虹のカケラだったと記憶する。
吉兆とはいうが、願い事をする対象ではない。
にもかかわらず、知らず知らず、窓の外に目を凝らし、
なにかを願っていた。祈っていた。
なにかとは「誰かいい恋人(ひと)ができますように」
ということだった。そのことだけで、あの頃はいっぱいだった。
そんなことも忘れそうなほど、年月が経った。
にじ、きれいだなあ。いまはそれだけ。
ひょっとすると言葉も、思いも湧いていないのかもしれない。
あっ、と無音を胸のあたりで発し、そして―
チッチッとデジカメのシャッターを切っているだけなのかも。
もう0時を回るが、これから夜明けにかけて、
ペルセウス座流星群がピークを迎えるという。
去年は3個、ながれ星をキャッチした。
今年は見えるか、起きられるか。
あっ、と発することができるか。
星に願いはないが、
流れれば、夢中になることは間違いない。

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