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言葉の風

絵本アーカイブ

『貝の子プチキュー』

『貝の子プチキュー』

死んだようにかたく口を閉ざしていたやつが、いつの間にか水のなかで白いやわらかなベロを出している。ベロは足である。水面にツノのように突き出た出水管から水が吹き上げられ、銀色のシンクに細かな水しぶきがキラキラと散っている。おっ、生きてる、生きてる。安心する。シジミやアサリの砂抜きをしているときの話だ。こ... >> 続きを読む


マーガレット・ワイズ・ブラウン『おへやのなかのおとの ほん』

マーガレット・ワイズ・ブラウン『おへやのなかのおとの ほん』

"夜のしじま"というものは、ほんとうにあったのだろうか。はるかむかしのことで、もうその音がほとんど思い出せない。でも、間違いなく、夜のしじまは、夢のなかへ入る前、枕元までやってきた。子どもの頃、寝床にもぐりこみ、電気が消されるといろんな音が聞こえてきた。廊下のむこうの部屋からもれてくる、バタン、バタ... >> 続きを読む


『アポリネール 動物詩集』山本容子絵

『アポリネール 動物詩集』山本容子絵

買って失敗だったな、という絵本がいくつかある。そんなやつは、なめるように本棚を見回しても、ふしぎなことに目に入ってこない。自らその存在を消し去っているからに違いない。『アポリネール 動物詩集』。この絵本もそんななかの一冊だった。絵は山本容子さん。近代フランスの代表的な詩人とエスプリあふれる画家、申し... >> 続きを読む


ウィルとニコラス作『ふたりのあか毛』

ウィルとニコラス作『ふたりのあか毛』

疲れているだけでなく、気力もそがれていた。ウツがやってきそうな気配だった。図書館の奥まったコーナーで、その絵本はこちらをみつめていた。「なにもかもお見通しだよ」ほんとうにそんな感じで、まっかな少年とまっかなネコが、きいろい目でみつめてくるのだった。書架にディスプレイされていたのは、ウィルとニコラス作... >> 続きを読む


『しずくのぼうけん』 マリア・テルリコフスカ作

『しずくのぼうけん』 マリア・テルリコフスカ作

万物の根源は水である。そう説いたのは哲人ターレス。ギリシャでは、万物の根源を、水、火、土、空気の4つの元素とする考えもあった。ヘラクレイトスは、「万物は流転する」ともいった。仏教の「諸行無常」という観点に通じるような気がしないでもない。ちょっと話がかたくなってしまったようだ。水、火、土、空気という4... >> 続きを読む


どろだんご

どろだんご

楽しい思い出、それもうんと楽しい、思い出すだけで恍惚となる思い出。それをできるだけたくさん持つことが、ひとを未来へと生かす糧になるのではないか。思い出のなかにだけ生きるのはいけないが、過去の幸福感を追体験することは生きるうえでとても大事なことのように思う。現在が幸福である瞬間はきわめて少ないし、夢見... >> 続きを読む


絵本『ここが家だ―ベン・シャーンの第5福竜丸』

絵本『ここが家だ―ベン・シャーンの第5福竜丸』

地球。 宇宙からみても、これほどうつくしい星はほかに見あたらない。 アルカディアが、この空の下になくてどこにあるのだろう。 ―ひとは家をたててその中にすむ。 絵本『ここが家だ―ベン・シャーンの第5福竜丸』の1ページ目に書かれた言葉だ。 家とは、ひとを守るもの、ひとが守るもの。 それぞれの平和のあかしが家なのだろう。 >> 続きを読む


『どうだ いかすだろ!』アンソニー・ブラウン作

『どうだ いかすだろ!』アンソニー・ブラウン作

男という生きものは、 いかに自分が優れているか、他人よりも抜きんでているか、 ということに執着する。 だれかより明らかに劣っていても、 いや、かならず人間はだれかより劣っているはずなのだが、 その事実とはべつに 「オレがイチバン」いう隠された現実に支配されているのが、 男という生きものではないだろうか。 >> 続きを読む


はじまりのものがたり

はじまりのものがたり

神田駿河台下の丸善で何年か前に洋書の絵本を買った。 バーゲンでワゴンに積みかさなった山のなかから選び出したのは Gerald Mcdermott: CREATION という本だった。 >> 続きを読む


『ちいさな島』 ゴールデン・マクドナルド作

『ちいさな島』 ゴールデン・マクドナルド作

故事『井の中の蛙』は、<凹の物語>だが、 ゴールデン・マクドナルド作『ちいさな島』は、 <凸の物語>である。 どちらも、ちいさな世界を舞台とする。 一方は一匹のカエル、そして、 もう一方は、海に浮かぶ孤島が主人公だ。 >> 続きを読む

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