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Today's Shot / 言葉の風

2009年08月23日
Today's Shot
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言葉の風

風がすずしく、気持ちいい。
今朝、木々のなかを自転車で散策した。
数日ぶりに胸にいっぱいに吸いこむ木と草の香り。
頭の深部、脳幹がしばし笑う。
もう、秋はそこまできている。
農園の沿道に植えられているアジサイの花は、
茶色に枯れた姿で何日もそのままだ。
通りかがりにさっと手を伸ばし握ってみた。
クシャリと繊細な音をたてて、くずれるかと思いきや、
これが軽石のようにかたく、手のひらが悲鳴をあげた。
気功家の望月勇さんが『いのちの力』(平凡社)のなかで
アジサイは非常に気の強い植物だといっていたのを思い出した。
たしかにひっそりとした地面から
あっという間に茎を伸ばし、葉を繁らせ、
花をふくらませる、あの勢いはこわいほどだ。
枯れても強靱、むべなるかな。
昨夜、歩道橋を渡る途中で家々の屋根の上に
花火が打ち上がるのを目にした。
近くではないが、それほど遠くでもないようだ。
花火の姿が手に取るように見える。
聞こえてもいいはずだが音はやってこない。
まっくらな夜空に、静かに花がひらき、花が散る。
その色と姿を目に入るだけで夏の疲れがいやされる。
多摩川の花火大会だった。
川崎市側と世田谷区側から12,000発の花火が打ち上げられ、
64万人程が河岸周辺に集まったらしい。
見上げる花火はきっとすばらしかったろうが、
遠くで見る予期しない花もまた美しい。

see you tomorrow!


2009年08月22日
Today's Shot
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言葉の風

8月に入ってからマグニチュード6以上の地震が頻発している。
9日、東海道南方沖マグニチュード6.9、
11日、駿河沖マグニチュード6.6 、
13日、八丈島沖マグニチュード6.5、
17日、石垣島近海マグニチュード6.8。
今年の夏は、天も地もなにかようすがおかしい。
そう、感じている人は少なくないのでは。
8月末から9月末にかけて、首都圏南部でマグニチュード7〜8クラスの
大地震が発生する可能性があると警告する地震予測研究会もある。
大気中のイオン濃度の変化が異常値を表しているらしい。
東京下町に『谷中・根津・千駄木』(通称:やねせん)
という地域雑誌がある。(8月20日発売の94号で終刊となった)
過去の号で大正12年の関東大震災に遭った人の体験談を読んだことがある。
そのなかで根津神社界隈をねぐらとするホームレスのような人が
震災の数日前から、大地震がくるから用心せよ、と境内でしきりに
訴えていたという話があった。
日常的感覚で捉えられないものをキャッチしてしまう人は
たしかにいるのだろう。
われわれ普通の人間にできることは備えと覚悟だけだ。
この1ヶ月の間で大地震が起こるかどうかということより、
もういつでも起こっておかしくないのだ。
ゼリー状飲料、エネルギー補給スナック各1袋、
小型LED懐中電灯、電池式携帯充電器、
糞尿処理用のスーパーのビニール袋数枚、
これらを外出時に携行することにしている。
鞄のサイドポケットに充分収納できるサバイバルアイテムだ。

see you tomorrow!

※ NPO法人大気イオン地震予測研究会:http://www.e-pisco.jp/index.html


2009年08月21日
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言葉の風

1985年8月12日午後6時56分、日本航空123便、
羽田発伊丹行ボーイング747が群馬県の山中に墜落した。
520名の方が亡くなり、生存者は4名という航空機事故史上、
最悪の惨劇となった。
いわゆる「日航機墜落事故」である。
数年前、あるテレビ番組でボイスレコーダーに録音されていた
コックピット内での乗務員の会話を聞く機会があった。
垂直尾翼破損直後から墜落までの息づまるやりとりは
今も耳にこびりついている。
アンコントロール、操縦不能になったジャンボを
なんとか立て直そうとする文字通り必死の声が飛び交う。
500人もの命を預かる操縦桿がまったく言うことをきかない。
なぜ操縦できないのかもわからない。
垂直尾翼がすでになくなっていることもわからない。
「バカヤロウ、もっと機体を上げろ!」機長の怒声。
この時、左右のエンジンの噴射をコントロールすることで
かろうじて機体を保っていたという。
ありえない操縦法で神業に等しい。
「もう、だめかもしれんね」雑音のなかでぽつりともれる声。
驚いたのは航空機関士でまったく取り乱したところがなく、
最後まで冷静、いや快活でさえあった。
機長からなぞの一言が発せられた。
「どーん、といこうや」それまでの緊迫した声ではなかった。
一瞬、すべてをあきらめたのかと思ったが、そうではなかった。
その後もまた機体を立て直すことに全力を尽くす。
機長はもうどの空港にも帰還できないとわかっていたのだろう。
しかし、だれも生きることをあきらめてはいなかった。
その最後の最後までの戦いが
4人の奇跡的な生存につながったのではないだろうか。

see you tomorrow!


2009年08月20日
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言葉の風

「食の安全」はだれにとっても気になるところ。
数年前、意図的に毒物が混入されるという事件が起き、
世間を騒がせた。しかし、それが犯罪ではなく、
生産手段として堂々と行われているといったら・・・。
すでに充分認識していると思うが、
殺虫剤や除草剤といった残留農薬や保存料、着色料などの
食品添加物などを日々、われわれは体内に取り込んでいる。
つまり、意図的に混入された毒物を摂取しているのだ。
もちろん、無農薬野菜や安全な肥料をつかった食肉、
添加物の入ってない食品を“意図的"に求めている人たちは多くなっている。
しかし、すべてがすべてというわけにはいかない。
とくに子どもたちは学校給食という避けられない食事がある。
『未来の食卓』というドキュメント映画を観てきた。
フランスでは、この10年ほどのあいだで
がん患者が急激に増加しているという。
大人だけではなく、子どものがん罹患率も高くなっている。
その約4割は食べ物が原因であると考えられている。
農薬や食品添加物だけではないだろう。栄養過多も関係している。
映画では、フランスの長閑な田園風景がずっと流れているが、
そこは農作物の生産現場であり、農薬そのものの直接的な害を
被る場所でもある。毒物がまき散らされているのが田園の実態なのだった。
映画のなかで救世主の名のごとく繰り返し口にされる「オーガニック」。
オーガニックを食べなければ人にあらず、
という「オーガニック信者」はきらいだが、
子どもをジャンクフードづけにしている親を見ると腹が立つ。
減らすのは二酸化炭素だけでない。

see you tomorrow!


2009年08月19日
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DVDレンタルが開始された『崖の上のポニョ』を観た。
これは水とポニョのダンス映画だ、といったら
ファンに叱られるだろうか。
それにしても宮崎駿の挑んだ「水」のイメージは豊饒だった。
みているだけで水に酩酊してしまった。
とくに葛飾北斎ばりの魁偉(かいい)な波が、これでもか、
これでもかと軽自動車に襲いかかるシーンは秀逸だった。
それだけでも、観た価値はあった。
ただ、ストーリーは、とても構築されたものとはいえない。
メッセージも伝わってこなかった。
ふくれあがる海、陸をのみ込む水の姿は、
自然と地球の怒りのメタファなのだろう。
近代的な高齢者施設を泥に沈め、家をたたき壊し、
クルマも自動販売機も押し流した先日の集中豪雨がだぶってみえた。
現実の自然の猛威のほうが怒りを露わにしていることだけはたしかだ。

see you tomorrow!


2009年08月18日
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言葉の風

ここ数日、太平洋戦争をテーマとした番組が放映されていた。
神風特攻隊の生き残りの人たちを取材したものや
被爆後の長崎で米軍のフィルム記録に残された
少女の行方を追ったものなどいくつかの番組を観た。
広島、長崎の原爆の日、そして終戦記念日とつづくので
戦争をテーマとした番組は恒例ということになるが、
無意識で観なければという気持ちがあった。
あと10年も経てば、先の戦争を体験した人たちの数も
極端に少なくなる。
その肉声を聞けるのもかぎられているということに
反応したのだろう。
戦争体験者の語る言葉に耳を傾けその表情と接していると
「戦争」は絶対にするべきではないと心に刻み込まれる。
しかし、「戦争、それもやむを得ない」。
そんな考えがふっと、通過することがある。
他国からの侵略や攻撃にさらされたならば、
防衛のための戦争はやむを得ないと。
戦争で悲惨な思いをした人たちも戦争が起こる前、
戦争に異を唱えなかった。
日本やアジアを欧米の列強から守るため、
解放するためという大義があったからだ。
守る、これが攻撃の主因となる。
「守る」という大義が、
戦争を立ち上げる最大のプロパガンダになる。
だから、「国を守る」ということを強調する連中には
要注意なのだ。

see you tomorrow!


2009年08月17日
Today's Shot
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言葉の風

ジンによる暑気払い作戦を昨日書いた。
じつは夏のはじめになんとも奇妙なけしきを見た。
家の目の前に丘陵があり、そこの森の一隅でのことだ。
小道から離れたゆるい斜面に立つ高い木の下で
きれいに飲み干されたジンのボトルが薪(たきぎ)のように
重なり合っているのを目撃したのだ。
すべて「ビーフィーター」の空きビン。山となっている。
その数70〜80本はあろうか。
赤い制服を着たロンドン塔の衛兵が束になって倒れているのだ。
印象的なラベルは風雨にさらされて色あせている。
公園整備の人たちが夏草を刈った後にあらわれた謎の光景だ。
ときどき森のなかにホームレスが滞在する。
野宿派もいるが、たいがい休憩所のような屋根のある場所を占拠して
そこで暮らす。そして数週間後に強制退去させられる。
はじめはジン好きのホームレスでもいたのかなと思ったが、
その本数がハンパでない。近くに野宿した形跡もない。
松ヤニに似た独特の香りがジンの特徴だが、
エッセンスの一種として「杜松(ねず)の実」が使われている。
ジンには微量だが森が入っているのだ。
それにしても、なぜ森のなかにジンの空きビンが眠っているのか。
今夏、ジン好きに楽しい謎が残されている。

see you tomorrow!


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