1. トップ  >
  2. 世界の音楽  >
  3. vol.1 台湾先住民ツォー族の聖なるポリフォニー

2009年5月28日掲載

音楽プロデューサー星川京児のルーツ・ミュージック・コラム このほしのあなたの知らない音楽

vol.1 自然への畏れと共鳴が生み出した 台湾先住民ツォー族の聖なるポリフォニー

台湾先住民の音楽

台湾先住民の音楽
Music of Taiwan Aborigines
KICW-85183(キングレコード)

ルカイ族 (霧台)、 ヤミ族 (蘭嶼)、ツォー族 (達邦)、アミ族 (馬蘭)など台湾先住民族のなかから10部族に取材した貴重な音源。

人間は進化する。誰もが信じているし、疑わない法則です。本当にそうなのでしょうか。たしかに建築や衣装、様々な技術にはそういうことがあるでしょう。でも音楽となったらこれが通用しません。

世界最古のプロの音楽家って誰のことかわかりますか。古代エジプト王朝に呼び寄せられた最初の音楽集団がピグミーだという説もあります。熱帯雨林のなかで、自然そのものを共鳴ホールとして楽しんできたポリフォニー。その素晴らしさは類を見ません。

ヨーロッパ人がモノフォニーから、あの壮大な教会音楽の合唱に至るまで、どれくらい時間がかかったかを考えると、こと、音楽に関して進化ということはどういう意味を持っているか、つい考えてしまうのです。

たしかに壮大なミサや合唱曲の迫力は素晴らしいものですが、あくまで誰かを感激させようとか、宗教的感動を伝えようという方法論の延長。自分たちが自然と一体化して楽しもうというのとは異なります。

原始、人は自然を畏(おそ)れ、敬い、抱かれることに大いなる喜びを見いだしていたのです。

同様の素晴らしい合唱がすぐ側にあるといったら驚かれるでしょうか。

台湾の原住民。ツォー族のポリフォニーは、いわゆるアフリカ的な自然一体感とは異なりますが、別の意味で、壮麗な自然への畏れ、共鳴を感じさせてくれる素晴らしいもの。かつて首狩族といわれた人たちのなかには合戦前の合唱が上手くいかなければ諦めたという説もありますが、一族、それだけ一体化していなければという覚悟でもあったはず。

まさに命を懸けた音楽芸能。いまどき、そこまで緊張感のある音楽なんて聴くことができるでしょうか。

台湾ツォー族、神を迎える歌【エホイ】。一度聴いてみてください。

試聴する:台湾ツォー族 神を迎える歌【エホイ】


THE WORLD ROOTS MUSIC LIBRARY ダイジェスト盤

「THE WORLD ROOTS MUSIC LIBRARY」ダイジェスト盤を2名様にプレゼント!
>> CDプレゼント詳細はこちら

>> 世界の音楽一覧へ戻る