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2010年6月22日掲載

音楽プロデューサー星川京児のルーツ・ミュージック・コラム このほしのあなたの知らない音楽

vol.8 ボリビア・アイマラ族、祭りの歓喜 アンデスの澄んだ空気に響く笛“シーク”の合奏

ボリビア/アイマラのフォルクロ

ボリビア/アイマラのフォルクローレ〜グルーポ・アイマラ
KICW-85136(キングレコード)

アンデスの多数派民族ケチュアに対して独自の文化を守るアイマラ族の音楽を伝える世界的グループの熱演。もう一つのアンデス音楽。

嗜好というのは面白いものです。食や住といった環境に左右されるものはともかく、笛や太鼓といった楽器もそう。太鼓文化圏として広く認識されているアフリカですら、最も古い民族のピグミーたちは太鼓を持ちません。とは言え、川面を手で打つウォータードラムのようにリズム感には卓越したものがあるのですが、なぜか太鼓を造ることはなかったようです。

そういった視点でみると、もっと大きな規模で不思議なのが新大陸アメリカです。もちろん植民者や移民のことではなく、もともと住んでいた人たち、モンゴロイド系の先住民のことです。インド人でもないのにインディオ、インディアンという呼称は失礼です。マヤやインカという高度な文明を持った人たちなのですから。

なぜか彼らは弦楽器を、その長い歴史の中で造り出しませんでした。ではアルパ(ハープ)やアルマジロを使ったチャランゴはどうなんだと言われるかもしれませんが、これはスペイン人やポルトガル人のものを真似て造ったものです。ヨーロッパ人は、布教のための教会にオルガンを持ち込めなかったので、小型のハープやギターを使ったのです。そこがルーツとなっているようです。でも、音楽は自分たちのものですから、独特の奏法、表現が生まれたわけです。

アンデスに住むアイマラ族は、芸術に秀でた民族です。よく知られているシークというパン・フルートを生み出したと言われるように、豊かな笛文化を持っています。グルーポ・アイマラは、アンデスのムシカ・アウトクトナ(伝統音楽)を世界に知らしめたグループで、多様な笛を使った演奏は極めて高い評価を受けています。

季節によって、使われる笛や曲も決まっているのですが、『帰還の動機』は年間を通して祭礼などの時に演奏されるシークの合奏“シクリアーダ”で、かならず偶数の人たちで合奏されるもの。
たしかに、アンデスの澄んだ空気にはこういった笛が似合うのかもしれません。

星川京児 (民族音楽プロデューサー)

「帰還の動機」グルーポ・アイマラ


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